日本と海外の防災の違いとは?|世界の災害対策から学ぶ備え

地震や津波、洪水、ハリケーン、山火事など、世界各地ではさまざまな自然災害が発生しています。

しかし、起こりやすい災害や地形、気候、社会の仕組みは国によって異なるため、防災対策にもそれぞれ特徴があります。

地震や台風、大雨など多くの自然災害に備えている日本にも、海外の取り組みから参考にできることがあります。

大切なのは「どの国の防災が優れているか」を比べることではありません。

それぞれの国がどのような災害リスクに備え、どんな工夫をしているのかを知り、自分たちの防災を考えることです。

この記事では、日本の防災と海外の取り組みの違いを、ニュージーランド、オランダ、アメリカの事例から紹介します。

日本の防災にはどのような特徴がある?

日本は、地震、津波、台風、大雨、洪水、土砂災害、大雪など、さまざまな自然災害が発生する国です。

そのため、一つの災害だけではなく、地域ごとの災害リスクに合わせて備える必要があります。

例えば日本では、建物の耐震化、ハザードマップ、防災訓練、緊急地震速報や気象情報、避難場所・避難所の整備、家庭での食料・飲料水などの備蓄、といったさまざまな対策が行われています。

家庭でも「自分が暮らす地域では何が起こる可能性があるのか」を知り、それに合わせて備えることが重要です。

ニュージーランド|地震への備えと地域の防災

ニュージーランドも、日本と同じように地震や津波などへの備えが重要な国です。

ニュージーランドでは、災害への対応だけでなく、地域の備えや警報、防災教育などを含めて災害に強い社会づくりを進めています。

2024年に国連防災機関へ提出されたニュージーランドの報告でも、地域の備えや効果的な警報システムの重要性が示されています。また、携帯電話への警報や放送機関など複数の手段を使った情報伝達、防災教育の改善なども進められています。

ニュージーランドから学べること

災害時に適切に行動するためには、情報を知っているだけではなく、普段から「どう行動するか」を考えておくことが大切です。

日本でも、家庭や地域の防災訓練などを通じて、地震が起きたときの行動を確認しておくことが備えになります。

オランダ|水を防ぐだけではない洪水対策

オランダでは、洪水から国土を守るための水害対策が重要です。

堤防などで水を防ぐ対策だけでなく、特徴的なのが**「川に空間を与える」考え方**です。

「Room for the River(川のための空間)」と呼ばれる取り組みでは、堤防を移動させたり、氾濫原を利用したりすることで、増水した川の水を受け入れる空間を確保してきました。オランダ政府も、洪水対策として河川に必要な空間を確保する取り組みを紹介しています。

オランダから学べること

オランダの事例から分かるのは、災害対策には、

「災害を完全に防ぐ」

だけではなく、

「災害が起きても被害をできるだけ小さくする」

という考え方も重要だということです。

家庭の防災でも同じです。

洪水そのものを家庭で防ぐことはできなくても、ハザードマップで浸水リスクを確認し、避難先や避難するタイミングを考えておくことはできます。

ハザードマップは、「ハザードマップの見方|災害リスクを確認する方法」で詳しく紹介しています。

アメリカ|地域全体で災害に備える

アメリカは国土が広く、地域によってハリケーン、洪水、山火事、竜巻、地震など、直面する災害が大きく異なります。

そのため、地域の災害リスクに合わせた備えが重要になります。

FEMA(米国連邦緊急事態管理庁)の防災では、行政や消防などだけではなく、

個人・家庭、企業、学校、NPO、地域団体、行政などが一緒に備える「Whole Community(地域社会全体)」

という考え方が取り入れられています。

アメリカから学べること

大規模な災害では、公的機関だけですべての人をすぐに支援することは難しい場合があります。

そのため、

家庭で備える「自助」

だけでなく、

地域で助け合う「共助」

も重要になります。

日本でも、地域の防災訓練への参加や、近所の人との日頃からのつながりが災害時の助けになることがあります。

日本と海外の防災は何が違う?

ここまでの事例を見ると、国によって防災の重点が異なることが分かります。

日本
→ 地震・津波・台風・豪雨など多様な災害への備え

ニュージーランド
→ 地震などへの備え、地域の防災力や警報・防災教育

オランダ
→ 洪水から国土を守り、水と共存するための対策

アメリカ
→ 地域ごとの災害リスクと、地域社会全体で備える仕組み

これは「どの国が一番進んでいる」ということではありません。

その国で起こりやすい災害や地理的条件などに合わせて、防災の仕組みが発展してきたと考えるほうがよいでしょう。

そして、この考え方は家庭の防災にも当てはまります。

世界の防災から家庭で取り入れたいこと

海外の大規模な防災事業を、そのまま家庭でまねすることはできません。

しかし、その考え方なら取り入れることができます。

家族での防災会議については、「家族防災会議の進め方|災害時に慌てないための話し合い」で詳しく紹介しています。

災害が起きる前から行動を考えておく

地震が起きたらどこで身を守るのか。

大雨のとき、どの段階で避難するのか。

家族が別々の場所にいるときはどうするのか。

災害が起きてから考えるのではなく、平常時に家族で確認しておきましょう。

自分の地域の災害リスクを知る

海岸付近、河川の近く、山間部など、暮らしている場所によって注意する災害は異なります。

ハザードマップを確認し、洪水、土砂災害、津波など、自宅周辺にどのようなリスクがあるのかを確認しておきましょう。

家庭だけでなく地域でも備える

災害時には、近所の人同士で助け合うことが必要になる場合があります。

地域の防災訓練に参加することは、避難場所や避難経路を確認するだけでなく、地域の人と顔を合わせる機会にもなります。

防災用品を用意して終わりにしない

食料や飲料水、非常持ち出し袋を準備することは大切です。

しかし、防災は物を買って終わりではありません。

知る・備える・確認する・実際に行動してみる。

これらを繰り返すことが、いざというときの行動につながります。

海外の防災を知ることで、日本の備えも見えてくる

世界の防災事例を見ると、災害への備え方は一つではないことが分かります。

地震に備える国、水害に備える国、地域社会全体で防災力を高めようとする国。

それぞれの取り組みには、その地域が経験してきた災害や、これから想定されるリスクが反映されています。

海外の防災を知る目的は、外国の方法をそのまま取り入れることではありません。

「自分の地域では何が起こり得るのか」「そのために今できることは何か」を考えるきっかけにすることが大切です。

まとめ|世界の防災から自分たちの備えを考えよう

日本と海外では、起こりやすい災害や地域の条件が異なるため、防災対策にも違いがあります。

ニュージーランドの地域の備えや防災教育、オランダの水と共存する洪水対策、アメリカの地域社会全体で災害に備える考え方など、海外の取り組みから参考にできることは少なくありません。

そして、どの事例にも共通しているのが、災害が起きる前からリスクを知り、備えておくことの大切さです。

まずはハザードマップを確認する、家族で避難について話し合う、地域の防災訓練に参加するなど、身近なところから備えを進めていきましょう。

災害は、日本だけでなく世界中で発生しています。

地震や津波、台風、洪水、山火事など、国や地域によって直面する災害はさまざまです。

そのため、各国では過去の経験を生かし、それぞれの環境に合わせた防災対策を進めています。

日本は防災意識が高い国として知られていますが、海外にも参考になる取り組みが数多くあります。

この記事では、防災先進国の事例を紹介しながら、日本でも取り入れられる備えについて解説します。

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