障害のある方の防災対策|安心して避難するための準備

はじめに

障害のある方の防災対策は、すべての人に同じ方法が当てはまるわけではありません。

移動に支援が必要な方、音声情報を受け取りにくい方、文字情報を確認しにくい方、医療機器を使用している方など、必要な備えや支援は一人ひとり異なります。

そのため、一般的な防災用品に加えて、「自分が災害時に何に困りやすいか」を考えて準備しておくことが大切です。

自分に必要な支援を整理しておこう

災害時には、初めて会う人から支援を受けることもあります。

そのため、どのような支援が必要か、持病や服用している薬、緊急連絡先、主治医や通院先、などを一枚のメモにまとめておくと安心です。

必要に応じて、防災リュックや財布に入れておきましょう。

支援してほしいことを具体的に書いておく。

例えば、「移動には介助が必要です」 「大きな音が苦手です」 「筆談をお願いします」 「この医療機器は電源が必要です」 など、周囲の人にわかるようにしておくことも大切です。

常備薬や医療用品をすぐ持ち出せるようにする

災害時には病院や薬局をすぐに利用できない場合があります。

普段服用している薬や使用している医療用品がある場合は、災害時にも必要なものを確認できるよう準備しておきましょう。

どの程度の薬を手元に備えられるかは処方内容などによって異なるため、平常時に医師や薬剤師へ相談しておくと安心です。

お薬手帳や服用している薬の情報が分かるものも、すぐ持ち出せるようにしておきましょう。

マイナ保険証や資格確認書など、医療を受ける際に必要なもの、障害者手帳、お薬手帳、医療・支援情報を書いたメモなども、防災リュックへ入れておくと安心です。

補助具や医療機器の電源・予備品を確認する

電源が必要な医療機器を使用している場合は、停電したときにどのように電源を確保するのか、平常時から確認しておきましょう。

バッテリーの持続時間、予備バッテリー、充電方法、停電時の相談先などを確認しておくことが大切です。

医療機器によって必要な電源や対応方法が異なるため、機器の販売事業者や医療機関、自治体などに事前に相談しておくと安心です。

電源が必要な医療機器を使用している方は、モバイルバッテリーやポータブル電源なども検討すると安心です。

自分に合った情報収集手段を複数用意する

聴覚に障害がある場合
→ 防災アプリ、文字情報、自治体メール、筆談

視覚に障害がある場合
→ 音声読み上げ、ラジオ、家族や支援者からの情報

知的・発達障害などがある場合
→ 分かりやすい言葉や絵・予定表、普段から慣れた連絡方法

防災アプリについては「防災アプリおすすめ10選|災害時の情報収集と安否確認に役立つアプリを紹介」で詳しく紹介しています。

避難先の設備や利用方法を事前に確認する

避難所によって、バリアフリー対応、多目的トイレ、充電設備などの環境は異なります。

また、一般の避難所で生活することが難しい方のために福祉避難所が開設される場合がありますが、対象者や利用方法は自治体によって異なります。

必要な支援がある場合は、平常時に自治体へ確認しておきましょう。

一人での避難が難しい場合は「個別避難計画」を確認する

災害時に一人で避難することが難しい高齢者や障害のある方などについては、「個別避難計画」を市町村が作成する取り組みが進められています。

個別避難計画では、避難先や避難を支援する人、避難時に必要な支援などをあらかじめ確認します。

自分や家族だけで避難することに不安がある場合は、お住まいの自治体に「避難行動要支援者名簿」や「個別避難計画」について確認してみましょう。

家族や支援者と避難方法を話し合う

災害時に一人で避難することが難しい場合

⇒ 誰が避難を支援するのか

⇒ どの方法で避難するのか

⇒ 支援者と連絡が取れない場合はどうするのか

日頃から避難経路を一緒に歩いて確認しておくことも大切です。

非常持ち出し袋には自分専用のものを追加する

一般的な防災用品だけではなく、非常持ち出し袋には自分専用のものを追加する。

飲料水や非常食、ライトなど一般的な防災用品に加えて、常備薬、医療用品、補助具の予備、充電器、イヤーマフ、筆談用メモ、安心できる小物など、自分にとって必要なものを優先して準備することが大切です。

非常持ち出し袋については「非常持ち出し袋に入れるものリスト|避難時に本当に必要な持ち物を解説」で詳しく紹介しています。

周囲に伝える工夫も大切

外見からは障害が分かりにくい方もいます。

必要に応じて、「ゆっくり話してください」 「筆談をお願いします」 「配慮してほしいこと」 「医療機器や薬の情報」など、自分に必要な支援を書いたカードや緊急連絡先を準備しておくと、初めて会う人にも伝えやすくなります。

無理に一人で頑張ろうとせず、必要な支援を伝えることも大切です。

地域や支援者と一緒に避難方法を確認する

防災訓練などに参加して、実際に避難経路を確認すると、車いすで通りにくい場所や段差など、事前には気づきにくい問題が見つかることがあります。

必要な配慮を地域の人や支援者に伝えるきっかけにもなります。

まとめ

障害のある方の防災対策では、「自分に必要な備え」を考えることが何より大切です。

常備薬や医療用品、補助具などを準備し、避難場所や避難方法を家族や支援者と話し合っておくことで、災害時の不安を減らすことができます。

また、地域とのつながりや防災訓練への参加も、安心して避難するための大切な備えです。

災害はいつ起こるかわかりません。

一人ひとりの状況に合わせた備えを少しずつ進め、自分と大切な人の命を守る準備をしていきましょう。

自宅が安全なら在宅避難も選択肢になる

自宅や周辺に災害の危険がなく、安全に生活を続けられる場合は、在宅避難を選択できることもあります。

ただし、医療機器の電源、飲料水、非常用トイレ、介助体制など、必要な生活環境を維持できるか確認することが大切です。

自宅に危険がある場合は、在宅避難にこだわらず安全な場所へ避難しましょう。

在宅避難と避難所避難については「在宅避難と避難所避難|どちらを選ぶべき?判断基準と必要な備えを解説」で詳しく紹介しています。

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