災害時の臭い対策|非常用トイレ・生ごみの悪臭を防ぐ方法

災害時はトイレや生ごみの臭い対策も必要です
地震や台風、大雨などの災害では、断水によってトイレが使えなくなったり、ごみ収集が止まったりすることがあります。
このような状況で問題になりやすいのが、非常用トイレの排せつ物や生ごみから発生する臭いです。
特に自宅避難では、限られた室内で生活を続けるため、臭いがこもると大きなストレスになります。気温の高い季節には腐敗が進みやすく、衛生環境の悪化にも注意が必要です。
災害時の臭いは、消臭剤だけで解決するのではなく、水分を減らす、袋の口をしっかり閉じる、防臭袋や密閉容器に入れる、生活する場所から離して保管する、という対策を組み合わせることが大切です。
この記事では、非常用トイレや生ごみを中心に、災害時の悪臭を防ぐ方法をご紹介します。
災害時に臭いが発生しやすいもの
災害時には、次のようなものが臭いの原因になります。
非常用トイレの排せつ物、生ごみや食べ残し、使用済みのおむつや生理用品、ペットの排せつ物、汗をかいた衣類や下着、汚れたウェットティッシュや紙類など。
断水や停電、ごみ収集の停止が重なると、普段のように洗ったり処分したりできません。
臭いが発生してから消そうとするよりも、発生源を早めに密封することが重要です。
非常用トイレは凝固剤と防臭袋で密封する
災害時に特に問題になりやすいのが、使用済み非常用トイレの臭いです。
非常用トイレを使った後は、製品の説明に従って凝固剤で排せつ物を固め、袋の中の空気をできるだけ抜いてから、口をしっかり結びます。
そのうえで、防臭性能のある袋や厚手のごみ袋に入れて二重に密封すると、臭いや液漏れを抑えやすくなります。
使用済みの袋を扱うときは使い捨て手袋を着用し、処理後は手洗いや手指消毒を行いましょう。
非常用トイレは、家族の人数に合わせて十分な数を備えておくことも大切です。
必要な数量については「非常用トイレの数は?|家族人数別の備蓄目安」で詳しく紹介しています。
使用済み非常用トイレの保管場所を決めておく
災害時は、ごみ収集がすぐに再開されるとは限りません。そのため、使用済み非常用トイレを一時的に保管する場所も決めておく必要があります。
密封した袋は、ふた付きのバケツや密閉できる容器にまとめると、臭いや液漏れを抑えやすくなります。
保管場所は、次の条件を考えて選びましょう。
直射日光が当たりにくい、雨水が入らない、食料や飲料水から離れている、子どもやペットが触れない、動物に荒らされない、袋が破れにくいなどを考えましょう。
ベランダに置く場合は、マンションなどの避難経路をふさがないようにします。高温になる場所や、近隣へ臭いが広がりやすい場所も避けましょう。
使用済み非常用トイレの捨て方は自治体によって異なるため、ごみ収集が再開されたら自治体の案内に従って処分してください。内閣府の資料でも、携帯トイレの処理方法や収集体制を事前に考えておくことの重要性が示されています。内閣府「避難所の運営ガイドライン」
生ごみは水分を減らして密封する

生ごみは水分が多いほど腐敗しやすく、臭いも発生しやすくなります。
野菜くずや食べ残しは、新聞紙やキッチンペーパーなどで水分を取り除いてから、袋に入れましょう。
袋の口をしっかり結び、さらに防臭袋や厚手のごみ袋へ入れると、臭いを抑えやすくなります。液体が漏れる可能性がある場合は、袋の底に新聞紙や吸水材を入れておく方法もあります。
災害時は、できるだけ食べ切れる量だけを調理し、生ごみそのものを増やさないことも大切です。
おむつや生理用品も早めに密封する
使用済みのおむつや生理用品も、長時間放置すると臭いの原因になります。
汚れた部分を内側にして小さくまとめ、一つずつポリ袋に入れて口を結びます。
その後、防臭袋やふた付き容器にまとめて保管しましょう。
介護が必要な方や乳幼児がいる家庭では、普段使用しているおむつの枚数に加えて、防臭袋、使い捨て手袋、おしり拭きなども多めに準備しておくと安心です。
ペットの排せつ物も人のトイレと分けて保管する
ペットの排せつ物や使用済みの猫砂、ペットシーツも悪臭の原因になります。
排せつ物はこまめに取り除き、防臭袋に入れて密封します。
人が使用した非常用トイレや生ごみとは袋を分け、それぞれの保管場所を決めておくと管理しやすくなります。
災害時はペットも普段と違う環境でストレスを感じやすいため、使い慣れたトイレ用品や消臭用品を備えておきましょう。
汗をかいた衣類は乾燥させてから保管する
断水中は洗濯が難しくなりますが、汗で湿った衣類を袋へ入れたままにすると、臭いやカビの原因になります。
安全に干せる場所がある場合は、風通しのよい場所で乾燥させましょう。
すぐに洗濯できない場合は、乾かしてから使用済み衣類専用の袋に入れ、清潔な衣類と分けて保管します。
断水中の衣類の管理については「断水時の洗濯はどうする?|災害時に衣類を清潔に保つ方法」も参考にしてください。
安全を確認して部屋を換気する

室内に臭いがこもっている場合は、安全を確認したうえで換気します。
対角線上にある窓やドアを開けると、空気の通り道を作りやすくなります。
扇風機やサーキュレーターが使用できる場合は、窓の方向へ風を送る方法もあります。
ただし、台風や大雨、火災、粉じん、異臭などの危険がある場合は、無理に窓を開けないでください。
消臭剤や重曹は補助的に使う
消臭スプレーや置き型消臭剤、重曹なども臭い対策に役立ちます。
ただし、消臭剤だけでは排せつ物や生ごみから発生する臭いを十分に防げません。
まずは水分を減らし、袋を密封して臭いの発生源を閉じ込めたうえで、補助的に消臭用品を使いましょう。
芳香剤は臭いを香りで覆うだけの場合もあるため、防災用品として準備するなら、防臭袋や凝固剤を優先することをおすすめします。
災害時の臭い対策として備えたいもの
家庭で準備しておきたいものは次のとおりです。
凝固剤付き非常用トイレ、防臭袋、厚手のごみ袋、ふた付きバケツや密閉容器、新聞紙やキッチンペーパー、使い捨て手袋、ウェットティッシュ、手指消毒剤、マスク、消臭剤、着替えや下着、ペット用トイレ用品などです。
防臭袋は非常用トイレだけでなく、生ごみ、おむつ、生理用品、ペットの排せつ物などにも使えます。
実際に非常用トイレを組み立て、使用後の袋をどこへ置くかまで家族で確認しておくと安心です。
家族でごみの保管ルールを決めておく
災害が起きてから保管場所や処理方法を考えると、室内が混乱しやすくなります。
平常時に、次の点を家族で決めておきましょう。
非常用トイレの保管場所、使用済み袋をまとめる場所、生ごみを入れる容器、おむつやペットの排せつ物の分け方、ごみを処理する担当、手袋や消毒用品の置き場所など。
自宅で避難生活を続けるために必要な備えは「自宅避難に必要なもの一覧|避難所へ行かずに生活するための備え」でまとめています。
まとめ
災害時の臭い対策では、消臭剤を使う前に、臭いの原因となるものを早めに密封することが重要です。
非常用トイレは凝固剤で固め、防臭袋へ入れて密封します。生ごみは水分をできるだけ減らし、おむつやペットの排せつ物とは分けて保管しましょう。
また、使用済みの袋を保管する密閉容器や場所をあらかじめ決めておくと、実際の災害時にも落ち着いて対応できます。
臭い対策は、不快感を減らすだけでなく、自宅避難中の衛生環境を守るための大切な備えです。非常用トイレや防臭袋の数量を確認し、家族で使い方と保管方法を話し合っておきましょう。
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